それまで自分には無関係だと思っていたTOEIC900点が、
基礎力の完成レベルでしかなかったこと、
やれば誰でもできることを確信した私は、
ある日本の製造業にて「社内語学研修プログラム構築担当」として働く機会を得、
正しい学習法を広めよう！
多くの人に、やればできることを知ってもらいたい！と、
正論を振りかざしました。

しかし、日本にはびこる
「TOEIC900点なんて、帰国子女とか特別な人が取るんでしょ」
「基礎力の確立なんて時間のかかることはいいから、
手っ取り早くビジネス会話を教えてくれ」
「スコアと会話力って関係あるの？」という、
語学学習に対する無知と誤解の嵐に私は怒りを覚えました。
ただ・・・
その時は、無力であることを認めざるを得ませんでした。

そりゃそうです。
もうすでに、多くの素晴らしい先生方が、
英語学習には音読や反復練習が必須であることを
分かりやすく丁寧に説明してくださっています。
もう十分過ぎるほど正しい情報があるのです。
ですが、
安易な「聞き流すだけ」「スコアは関係ない」「これだけであなたもペラペラ」
といった宣伝文句のパワーの前では、
正しい情報はあっさりと吹き飛ばされてしまうのです。

そんな時、私は日本語教育の経験で痛感していた、ある心得を思い出しました。
それは、「全てを分かって、一つだけ語れ」です。

人は張り切りすぎると、
自分が学んできたことを全て教えてあげたいと思ってしまいますが、
生徒さんは前進しながら自分自身で発見をします。
そっと追い風となってあげることが、講師の役割だったのです。

ゴールへ確実に繋がる、正しいアクションを起こしてもらうことだ。

そう気が付いた私は、これから英語の勉強を始めようとするアナタに、
あえて一つのことだけをお伝えしようと、考えを改めました。

その一つとは、「TOEIC900点を取れば、夢はかなう！」です。

とにかくスコアに執着してください。
英語学習に関して飛び交う広告の「真の英語力」「世界に通用する英語力」などと比べ、
あなたの「とにかくスコア」は、俗っぽく崇高さのない目標に見えるかもしれません。

しかし、一見崇高に見えるものの中身は空なのです。

あなたが900点を超えた時、あなたの目標は崇高なものへと自然に変化していきます。

あなたの本当のゴールはTOEIC900点のその先にあります。
ただし、TOEIC900点を通らずして、本当のゴールへ向かうことは不可能なのです。